社会福祉法人チャレンジプロジェクト
1.成り立ち
社会福祉法人はなさきむらチャレンジプロジェクトは、はなさきむら作業所の利用者の方が、2008年に
自分たちの未来を考えていきたいと始めた就職学習会から発展したものです。
このチャレンジプロジェクトの前身である就職学習会の目的は、次の三つでした。
〇 就職するという課題を実現できる力をつける
〇 就職した後の生活を考える
〇 共に就職していく仲間のつながりを考える
2.活動
活動は、週1回の例会(毎週月曜日:15時30分〜16時)、社会見学、職員・家族との懇談です。8年間
の間に、自主的に活動できる力が高まりました。これらの活動を通じて、「就職したい」という思いが強
くなっていった学習会参加者は、自分たちが就職するために、何が必要なのかを考えました。就職する
ために一般 的に必要とされること、それぞれの職種において専門的に必要とされることについてチェッ
クリストを作りました。このチェックリストを使って、実習・就職前訓練・就職とステップを踏んで、社会福
祉法人はなさきむらの職員になることをめざすプロジェクトです。
3.パート職員としての就職
この活動を通じて、はなさきむらのパート職員として就職した方は次のような方です。
2011年9月1日就職:環境整備、特浴の入浴補助、資格を活かして障がいのある方達の支援
2012年5月1日就職:特別養護老人ホームはなみずきの厨房における調理パート。
2014年1月1日就職:岡本医院デイケアサービスなごみ厨房における調理パート。
2014年4月1日就職:特別養護老人ホームはなみずきの環境整備
2015年12月1日就職:はなさきむら作業所パン工房光都プラザ店における販売パート
この後に続きたいと、はなみずきの清掃等、パン工房の製造、パン工房テクノ店の製造・販売など、
就職前訓練生として、社会福祉法人はなさきむらのパート職員に就職したいと頑張っておられます。
4.当事者活動
きょうされんや、圏域自立支援協議会の当事者部会などで活躍するチャレンジプロジェクトのメン
バーもいます。きょうされん兵庫支部情報誌TOBEの編集委員として活躍している人もいます。
5.就労支援員
2016年、このプロジェクトに就労支援員が参加することになり、就職した当事者の方の相談役として
日常的に関わっていくことになりました。連携しながらはなさきむらで障がいのある方が働き続けるた
めの環境の整備と一人ひとりの「働く」力を育てていく活動をします。
6.「住み慣れた地域でずっと暮らすために」フォーラムでの発表
(1)2015年12月4日
NPO法人いねいぶるや関西福祉大学の皆さんと一緒に、兵庫県先端科学技術支援センター
のホールで、「ちょっとした日常生活の知恵」を障がいによる生活の困難を解決する方法とし
て考えるフォーラム2015を開催しました。計画・運営を障がいのある当事者が担い、学生さ
んがボランティアでサポートするというイベントでした。
(2)2017年11月20日
日本人間関係学会の全国大会で、チャレンジプロジェクトの活動を当事者が報告しました。
今後の活動を研究論文としてまとめていこうと考えています。
「社会福祉法人こそ、障がい者雇用のパイオニアになれる」という実践を豊かにし、障がいの
ある方の働く場を広げていきたいと思います。